1.久留米豚骨(とんこつ)ラーメンとは
戦後の食品不足の時代に、ラーメンが急速に普及し、各地で様々なラーメンスタイルが発展しました。この過程で、久留米市(くるめし)でも独自のラーメンスタイルが生まれ、後に久留米(くるめ)ラーメンとして確立されたと言われています。 久留米(くるめ)ラーメンは、その特有の豚骨(とんこつ)スープと中細の麺、トッピングの組み合わせで知られ、福岡県内や全国各地で愛されています。
久留米(くるめ)ラーメンは、豚骨(とんこつ)ベースのスープが特徴です。久留米(くるめ)ラーメンのタレは、醤油をベースにしており、中細のストレート麺が一般的です。これらの麺はスープとの相性が良く、しっかりとした歯ごたえがあり、チャーシュー、メンマ、ねぎ、そして海苔がトッピングとして使用され、スープと麺との相性を引き立てます。
2.豚骨(とんこつ)発祥 久留米(くるめ)ラーメンの始まり
1)久留米(くるめ)に全国で最初の豚骨(とんこつ)ラーメンが誕生したのは昭和12年。中華料理の汁そばをルーツとしており、元祖豚骨(とんこつ)ラーメンとも言える久留米(くるめ)ラーメンは、当初濁ったスープではありませんでした。現在主流となっている白濁の豚骨(とんこつ)スープは、スープの火加減を誤って強くしてしまったことにより偶然生まれた言われています。
2)博多(はかた)豚骨(とんこつ)ラーメンと久留米(くるめ)豚骨(とんこつ)ラーメンの違い
久留米(くるめ)ラーメンと博多(はかた)ラーメンでは、共通の豚骨(とんこつ)ベースを持っていますが、スープ、タレ、麺、トッピング、そして地域性など、多くの違いがあります。博多(はかた)ラーメンのタレは、醤油と豚脂を組み合わせており、濃厚で風味豊かな味わいがあり、独特のコクがあります。博多(はかた)ラーメンは、乳白色の豚骨(とんこつ)スープで、一般的に久留米(くるめ)ラーメンよりクリーミーと言われています。博多(はかた)ラーメンは、屋台から広まっていき、現在は、完全な白濁スープで提供しています。
一方、久留米(くるめ)らーめんの発祥当時は、半濁程度のスープで澄んだスープでしたが、現在の豚骨(とんこつ)スープは白濁しており、風味豊かで深い味わいを持っています。一般的に久留米(くるめ)ラーメンはこってり味のイメージが強く、スープも濃厚な店もありますが、ラードや背脂を使用しない店も多く、口当たりも良く(なめらか)、スープも全部飲み干せるほどです。
3)職人技の呼び戻しスープ製法
呼び戻しスープとは簡単に言うと、完成して使用した後の寸胴の中に骨やスープを一定量意図的に残置し、そこへ新たに骨や水などの材料を足してスープを炊く製法の事をいいます。博多(はかた)ラーメンは、作ったスープを使い切るのに対して、久留米(くるめ)ラーメンは、釜のスープが少なくなると別の釜で煮出したスープを補充する「継ぎ足し」や「呼び戻し」と呼ばれる製法で作られており、博多(はかた)ラーメンに比べ、より濃厚になり豚骨(とんこつ)のパンチが効いたスープのお店が多いです。また、麺はストレート麺を使用しており、博多(はかた)ラーメンに比べ若干太めなのが特徴です。
4)鶏ガラ(とりがら)や野菜(やさい)を加えひと工夫
鶏ガラ(とりがら)や、野菜(やさい)を加えたラーメンは、豚骨(とんこつ)は好きだけど白濁とした豚骨(とんこつ)臭さが苦手な方や、豚骨(とんこつ)でもこってりよりあっさり味を好む方にも食べやすいです(鶏ガラ(とりがら)と野菜(やさい)で口の中でなめらかさを感じられます)。鶏ガラと野菜を組み合わせたラーメンも存在し、その場合は鶏の風味と野菜の爽やかさが絶妙に組み合わさります。鶏ガラのスープに野菜のうまみが加わることで、バランスの取れた味わいが楽しめます。
5)女性にも人気なあっさり豚骨(とんこつ)
服に匂いが染みつくような豚骨(とんこつ)臭もなく、口当たりも良く(なめらか)、女性でもスープを全部飲み干せます。豚骨(とんこつ)は好きだけど白濁とした豚骨(とんこつ)臭さが苦手な方向けです。鶏ガラをベースにしたラーメンは、一般的に豚骨(とんこつ)ラーメンよりも軽やかなスープとなります。鶏ガラのスープはクリアで透明なスープであり、鶏の風味がしっかりと感じられます。このスタイルのラーメンは、豚骨ラーメンのような濃厚さはないものの、さわやかで優しい味わいがあります。
3.取り寄せ(とりよせ)で本場の店と同じ味を味わう
1)福岡県久留米市(くるめし)に本店を構える本田商店(ほんだしょうてん)のラーメンは、長年引き継がれた純豚骨(とんこつ)スープです。国産豚の頭骨とゲンコツのみを徹底的に炊き込み、継ぎ足しながら作るスープはコクと旨みが凝縮され、臭みがないこってりとんこつスープで、関東・関西ではあまり食べれることができない重厚な味わいです。麺はスープに合わせた自家製中麺を使用し、もちっとした食感にするために丸1日熟成させる拘り。チャーシューは脂がしっかりのった豚バラ肉を秘伝のタレに漬け込んでおり味がしっかりと染みています。この本田商店(ほんだしょうてん)では、豚骨(とんこつ)ラーメンセットが取り寄せ(とりよせ)可能です。久留米(くるめ)ラーメンの絶品の味わいを、自宅で堪能されたい方は是非ご注文されてはいかがでしょうか。